2014年4月1日に特定研究員に着任した高木聖子です。真面目な自己紹介をします
■プロフィール
学位:博士(理学)[東京大学]
身分:地球観測衛星EarthCARE特定研究員
■研究者を目指すきっかけ
私が研究者を目指すきっかけとなったのは、リモートセンシングという手法に強烈な感動を覚えたことです。私は学部4年次に、宇宙科学研究所で行われた金星探査機あかつき(JAXA)に搭載されたカメラの打ち合わせ会議に参加しました。その際、自分自身が決して到達することができないほど遠く離れた場所のことを地上や探査機からの観測によって知ることができるということに感銘を受けました。また、そこで触れた最先端の話題や予想を超えた綿密な計画にも強烈な印象を受けました。このような体験を通して、惑星科学に貢献したいという思いを強く抱くようになりました。
■大学院での研究と今後
金星と地球は互いに似た惑星として誕生したと考えられていますが、2つの惑星は全く異なる進化を遂げています。私はこれまでその所以を解明するため、高高度の大気・雲の視点から金星気象の理解を目指し研究に取り組んできました。
現在、金星周回機Venus Express(ESA)搭載の赤外分光計(SOIR)は、太陽掩蔽法により高高度(70-220 km)の金星大気・雲を観測しています。それまで金星高高度観測は絶対的に不足していましたが、Venus Expressの観測が開始された2006年以降、金星高高度のデータが豊富に取得されています。私は博士後期課程2年次に、SOIRを担当しているAnnCarine Vandaele博士に受け入れを認められ、ESAの研究機関Belgian Institute for Space Aeronomyに身を置き研究する機会に恵まれました。滞在してデータを取得・解析し、金星高高度に関する新たな知見を得ました。得られた成果を博士論文としてまとめ、2014年3月に東京大学大学院にて博士号を取得しました。本結果は、長年謎の金星雲の生成・維持メカニズム解明に貢献する画期的な結果です。数年の内に、金星探査機あかつきが金星周回軌道へ投入されます。あかつきプロジェクト共同研究員の立場から、今後の金星科学の発展に貢献したいと思います。
■東海大での研究内容
着任後は,宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)が共同で開発を進める地球観測衛星EarthCARE(2015年打ち上げ予定)の研究をしています。搭載される4つのセンサは、これまで観測が少なかった雲・エアロゾルを全球的に観測し、両者の地球大気中における役割の理解に有用なデータを取得します。複数波長において観測を行い、雲・エアロゾルの3次元的理解を目指します。雲・エアロゾルに関する知見不足は、地球気候変動予測の不確実性の一因とされており、EarthCAREは気候変動予測の精度向上に貢献する重要な観測です。
■趣味とか
6歳からピアノ、10歳からオーケストラでバイオリンを続けています。体を動かすことも大好きです。特に習っていた水泳・テニスは、また始めようかなと思っています。そしてビール党です。健康と美肌の秘訣です。ダイエットにもなります。
まるで真面目な人みたいな自己紹介になってしまいました。