2013年4月付けで博士研究員として着任した渡邉武志です。

■大学院での研究

2013年3月に北海道大学大学院環境科学院環境起学専攻で博士学位を取得しました。博士研究では、気象学分野に関する研究を行いました。気象学に関する理解を深めることで、地球上で起こっている大気現象の面白さを実感できることが研究の魅力でした。また、自然現象を理解することが激しい気象現象による自然災害などの予防・軽減することにつながるということが気象学の研究の価値であると考えました。近年は地球温暖化問題で、気象学に対する注目も高くなっています。このようなことを動機として、気象学の研究を続けてきました。博士研究ではアジアモンスーンを主な研究対象としました。アジアモンスーンはアジア地域の気象を支配している重要な気象システムです。アジア地域で災害を引き起こすような強い雨や、干ばつが起こるときにはアジアモンスーンの変動が影響していることがあります。そのようなアジアモンスーンの変動がなぜ起こるのかを明らかにすることを目標に博士研究を行いました。

■大学院での研究以外の活動など

大学院では、博士研究と並行して大学院での省エネルギーなど環境負荷低減のための活動なども行ってきました。エネルギー問題は地球温暖化とも強く結びついた問題です。省エネ及びエネルギー利用の効率化はエネルギー問題を解決するための有効な手段の一つです。地球温暖化問題を解決するには、研究などによる地球温暖化の理解や対策の検討だけではなく、今行える対策をすぐにでも実行することが大切であると考えています。大学院在籍中に行った環境負荷低減活動はそのような動機から行い、良い成果を得ることができました。

■東海大での研究

東海大学では、CRESTプロジェクト「分散協調型エネルギー管理システム構築のための理論及び基盤技術の創出と融合展開」に関する研究に従事しています。地球温暖化の対策のもう一つの有効な解決策として二酸化炭素の排出が無い・少ない再生可能エネルギーの利用があげられます。再生可能エネルギーの中には太陽光や風力などの気象現象を利用してエネルギーを生み出すものがあります。太陽光発電などは太陽光から発電をし、電力として利用するものです。気象現象は時々刻々変動を示すため、太陽光発電により作られる電力もそれに影響されて変動をします。このような変動をする電力は、地域全体の電力システムに悪い影響を与え、安定的な電力の供給を妨げることになります。このような影響を防ぐためには、太陽光発電の変動を予想し、対策をすることが必要です。このため、今後、太陽光発電などの再生可能エネルギーを普及させるためには、気象現象の変動や変化への理解が大切になってきます。このような目的のための気象学的観点からの研究が私の東海大学での研究テーマです。特に、太陽光発電に大きく影響をする雲について衛星データを活用しながら研究を進めていく予定です。また、得られた研究成果を他の分野の研究者や、研究者以外の人たちとどのように共有していくかということも重要な課題と考えています。

中島研究室 – Nakajima Laboratory – "Dialogue with Blue Planet"
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